AMBER Version 11 Mechanics Simulation of Biomolecules
| AMBERは、カリフォルニア大学のコールマン教授らのグループによって生体分子のために開発された、モデリングおよび分子力学と動力学計算シミュレーションプログラムのパッケージです。溶媒水分子の配置や電荷のフィッティングを行なうビルダーモジュールなどのプログラムが多数用意されています。また、NMRリファインメントを実行したり、解析ツールを用いて動力学計算のトラジェクトリー解析を行ったりできます。AMBERは独自の有用性の高いパラメータを持ち、近年このプログラムを用いた論文が多数報告されています。 |
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■■■AMBER 11がリリースされました■■■
Amber 11 は 2008年4月にリリースされた前バージョンのAmber 10 から、大幅な変更がなされています。主な違いは、以下のとおりです。
【 力場 】
- CMAPねじれポテンシャルを含む、CHARMMの電荷固定力場がサポートされました。
- 有機分子用のgeneral Amber 力場(GAFF)がアップデートされました。
【溶媒モデル】
- 一般化ボルン溶媒モデルパラメーターが、新たにペプチドとタンパク質用に最適化されました。
- 数値的なPoisson-Boltzmann溶媒計算のオプションが拡張されました。
- Kovalenko-HirataらのClosure近似による3D-RISM積分方程式モデルを利用出来るようになりました。
【自由エネルギー計算】
- ハミルトニアンモデルを変更する方法や、出現及び消滅する原子群を扱うより良い手法を含む自由エネルギー計算の簡易化法が利用できます。
- 配座遷移の低エネルギー経路を見つけ出すNudged Elastic Bandモデルの新しい手法が実装されました。これにより、系の一部だけや実溶媒シミュレーションなどに適用できるようになります。
- 定pHシミュレーションとMMPB/SA自由エネルギー計算のスクリプトが改良されました。
【計算手法】
- 極性系に対応したIsotropic Periodic Sum (IPS:等方性周期和) モデル、及びそれに加えてIPS-DFFT(IPS-離散高速フーリエ変換)が実装されました。
- pmemdを使用したMDシミュレーションにおいて、NVIDIA GPUカードを利用できるようになりました。これにより、通常のCPUに比べ大幅なスピードアップが図れます。
【他ソフトとの連携】
- 可視化プログラムChimeraとの連携が強化されました。
- UCSF DOCKとの連携が強化されました。
Amber 10 は 2006年3月にリリースされた前バージョンのAmber 9 から、大幅な変更がなされています。主な違いは、以下のとおりです。
【 力場 】
新しい多くのタイプの力場が、利用できるようになりました。
- 新しい、水やイオンのモデルが利用可能です。
- 核酸と糖のパラメーターがアップデートされてました。
- RenとPonderによる分極性ポテンシャルAMOEBAの並列化がサポートされました。
- 経験的原子価結合(Empirical Valence Bond, EVB)モデルが改良され、化学反応の近似ポテンシャルの構築に使用できるようになりました。
【QM/MM シミュレーション】
- Amber 10 では、DFTB計算を周期溶媒ボックスあるいは一般化ボルン溶媒モデルを使用して行えるようになりました。
- また計算がより速くなり、一部並列化もされています。
【適応バイアスシミュレーション】
・サンプリングと自由エネルギーの収束を加速するために、適応バイアスシミュレーションを行うことができるようになりました。
【経路積分分子動力学 】
- 原子核の動きを、ニュートンの力学方程式ではなく、量子動力学法を使用して平衡カノニカル分布をサンプリングできます。
- 平衡と動的な同位体効果の両方を、原子量を考慮した熱動力学積分法で予測できます。
- 速度定数を、量子インスタントンモデルで見積ることができます。
- 近似量子時間相関関数を、Ring Polymer MDあるいはCentroid MDにより利用できます。
【クラスター解析】
・新規の配座クラスター解析ツールが、ptrajにより利用できます。
【自由エネルギー】
- 新規の自由エネルギーツールでは、1つと2つのトポロジー両方を使用する事により、タンパク質の変異変化の設定が簡略化されました。
- ソフトコアポテンシャルの機能により、原子が現れたり消滅したりする系のサンプリングができるようになりました。その際、人為的なダミー原子を設定する必要はありません。
【 レプリカ交換法 】
- 通常のレプリカ交換法の改良が行われています。
- 標準のレプリカ交換法の改良に加え、非ボルツマン溶媒を用いた交換法をサポートしました。
- 実溶媒中での大きな系に必要なレプリカの数を減らすために、混成溶媒モデルを使用できます。
【拡張された pmemd】
- 速度と並列化効率の大幅な改良を行いました。
- 一般化ボルン法を大幅に改良しました。
- 非中心電荷(TIP4PやTIP5Pなど)をサポートしました。
【LMOD】
・低振動基準モードに基づいた、低モード(LMOD)探索ツールが完全統合されました。
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