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Gaussian 09は、実験データから導き出される経験的パラメータを一切用いない非経験的分子軌道法の普及の功績により1998年にノーベル賞を受賞したJ.A.Popleらによって開発されました。新たに追加されたONIOM法により、電子構造理論を巨大分子についても現実的なものとし、分子特性の予測範囲を拡張しました。
Gaussian 09 リリースノート リビジョンA.02
- 構造最適化中において、ヘシアン行列で大きな負の値を持つ固有値の扱いを改良しました。
- DFTの計算を「Int=DKHSO」の指定で行った場合に、自動的に実行されるDFTと通常のSCFの連携は機能しませんので、初期段階で拒否するようにしました。
- ONIOMの入力で、2価のリンク原子をチェックするようにしました。これらの原子の位置が、距離のスケール因子を1にしないと間違って定義されてしまいますが、このスケール因子を強制的に1にすると計算モデルは通常質が悪くなってしまいます。このような入力は通常エラーになりますので、リンク101で拒否するようにしました。キーワード「IOp(1/132)」を使用してこの入力を強制的に受けさせることもできますが、あまりお奨めできません。
- Semi-direct積分交換法がデフォルトになりました。このコードは、Full-directやin-coreアルゴリズムよりも並列化における効率が高くなり、単独のプロセッサーでも、他のアルゴリズムより効率よく計算できます。
- 入力ファイルにPDBの二次構造情報が含まれている際に、キーワード「ONIOM=InputFiles」が失敗するバグを修正しました。
Gaussian 09 リリースノート リビジョンA.01
- CIS振動数をHerzberg-TellerあるいはFranck-Condon-Herzberg-Teller解析で使用する場合、CIS振動計算を数値的に行う必要があります(FreqではなくFreq=Numer)。これは、解析的な力の定数計算では遷移双極子微分が計算されないからです。これに対応する解析の基底状態でのHF振動計算でも遷移双極子微分が必要となりますが、この場合通常は解析的に計算が行われます。
- PCM溶媒中でのCISおよびCASSCF振動数も同様に、Freq=Numerを用いて数値的に行う必要があります。
- FMM法を基にしたlinear scalingアルゴリズムが、Linda並列化されました。今後は、大きな分子をLinda並列計算する際にNoFMMを指定する必要が無くなり、プログラムにより選択されるデフォルトのアルゴリズムで、より高速に実行することができます。
- Opt=GDIISキーワードはまだ使用できますが、廃止予定となっています。新しくデフォルトとされた最適化アルゴリズム(Opt=GEDIIS)の方が、いくつかのケースでG03のデフォルト(Opt=RFO)よりも有効であったGDIISよりも優れています。
- 大きな分子をDFTで最適化する際に多くのとても低い振動数のモードが現れる場合、より大きなDFTグリッドを指定(Int=UltraFine)すると計算がより確実に進行します。
- Pure DFT関数を使用する場合、Default.Routeファイルのrouteセクション(-#-行)にDenFitキーワードを追加する事により、密度フィッティング法をジョブのデフォルトとすることができます。フィッティングは、数百原子まで(基底セットに依存)の系では正確にクーロン項を計算するより速いです。しかし、かなり大きな系ではlinear scaling法を用いた正確なクーロン計算より遅くなります。このクーロン項計算は自動的にオンになります。
- デフォルトのIRCアルゴリズムが変更になりました。詳しくは、ユーザーズガイドをお読みください。デフォルトでは、反応経路上の各点のエネルギーと反応座標だけが出力されます。もしも反応経路に沿った構造パラメーターが必要な場合は、Geom=ModRedundantキーワードを利用して冗長内部座標を設定するか、IRC(Report=Read)によりIRC計算に対して指定します。
- 多くの変更がPCMアルゴリズムに対して行われています:
- デフォルトの表面積分は、新しく連続ポテンシャルエネルギー面を与えます。全ての新しい計算において、このアルゴリズムの使用を強く推奨します。routeオプションのSCRF=G03Defaultsにより、ほとんどのデフォルト値をG03の物と同じにできますが、以前G03でなされた計算との比較のみにご使用ください。
- デフォルトのIEFPCM溶媒和法あるいはSCRF=CPCMを使用する場合、Gaussian 03では溶媒和エネルギーへの非静電項の寄与を計算し出力していましたが、これらをエネルギーに取り込んでいませんでした。同様に、構造最適化や振動計算などで使用するエネルギーにも取り込んでいませんでした。Gaussian 09ではデフォルトでは、これらの値をいっさい計算しないようにしました。
- 新しいSMD溶媒和モデルを、非静電溶媒和項の溶媒和エネルギーの絶対値や他の性質を計算する際に推奨します。SCRF=SMDを指定すると、SMD非静電項が基本的なエネルギー("SCF Done"行のSCFエネルギーや関連するエネルギーなど)、構造最適化および振動計算に取り込まれます。非静電ネルギーは、個別にも出力されます。
- 溶媒和エネルギーの絶対値は、気相で系の構造最適化と振動計算を行ってから、同じ計算をSCRF=SMDあるいはSCRF=(SMD,Solvent=...)を指定して行ってください。
- PCM入力のSCFVacオプションは削除されました。もしも事前に気相エネルギーが必要な場合は、溶媒和計算の前に別のジョブとして気相計算を行ってください。
- MPとCC計算では、部分変換(Tran=IABC)がデフォルトとなりました。この手法は多くの系で速く、特に複数のプロセッサーを使用した場合に効果的です。全軌道変換は、Tran=Fullで指示できます。
- 1点計算を含む全ての計算において、デフォルトのSCFの収束判定値は電子密度で108となっています。
- デフォルトで使用される物理定数は、2006 CODATAテーブルの物を使用しています。Gaussian 03で使用していた物はConstants=1998で使用できます。
- AM1, PM3そしてPM3MMではデフォルトで、新しい半経験的手法のコードを使用します。これは、厳密な解析的1次および2次微分を行いますが、若干異なった全エネルギーを与えます。それは、重なり積分をSlater関数ではなく6-Gaussian展開によって求めているからです。AM1=OldあるいはUse=L402を指示すれば古いMOPAC 6のコードが使用され、それぞれ従来のリンクあるいはlink402が使用されます。
- Stable=Optでは、最初のSCFでは通常の(L502)SCF計算が行われますが、それ以降はSCF=QCのSCF計算が行われます。
- Gaussian 09をLindaとビルドするには、Lindaバージョン8.2が必要です。古いバージョンのLindaでは、実行プログラムを構築できません。
- Intel Macでビルドする場合、大小文字を区別するcase-sensitiveなファイルシステムが必要です。ia32バージョンをビルドするには、
bsd/bldg09 all mac32
としてください。ビルドスクリプト中にはx86とx86-64マシンを区別する機能は無く、デフォルトではx86-64向けにビルドされます。
- 以下がリンクのリストから漏れています(38-39ページ):
L117 Performs IPCM calculations.
L610 Numerical integration (for testing integral codes).
- 以下のリンクがリストに含まれていますが、Gaussian 09には含まれていません:
L909, L921, L922
- ノーマルモード出力の選択に関して107と289ページにthreshキーワードが議論されていますが、Gaussian 09では使用できません。
- 166ページのOpt=DiagFullへの参照は、Freq=DiagFullの間違いです。
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