Gaussian16は、電子構造計算プログラムGaussianシリーズ中で最新のバージョンです。化学者、化学エンジニア、生化学者、物理化学者や化学的に興味ある新しい研究エリアの人々によって使われています。
Gaussianは、量子化学の基本的法則を基礎として、基礎的な計算から誘導される様々な分子の特性と一緒に、エネルギー、分子構造及び分子系の振動数を予測します。安定分子だけでなく短寿命中間体や遷移状態構造といった実験的に観測することが困難もしくは不可能な化合物まで、広範囲な条件下での反応や分子を研究に用いることが可能です。
弊社では、量子化学専門のスタッフによる技術サポートを提供しております。長年の豊富なサポート実績により迅速で的確な解決法をご案内しております。詳しくはこちらから。
Gaussian&GaussView講習会も初級編から応用編まで行っております。今年度の開催日はこちらから。

基本性能

Gaussian 16 は、 量子力学の基本法則に基づいて、 さまざまな化学環境における化合物や反応のエネルギー、 分子構造、 振動数、 分子特性を予測します。Gaussian 16 のモデルは、 安定した種と、 実験的に観察することが困難または不可能な化合物の両方に適用できます。

Gaussian 16を使えば、興味のある化学の問題を徹底的に調べることができます。例えば、 分子構造を迅速かつ確実に最適化できるだけでなく、 遷移状態の構造を予測したり、 予測された定常点が実際に極小点または遷移構造であるかどうかを検証することもできます。さらに、固有反応座標(IRC)に沿って反応経路を計算し、どの反応物と生成物が所定の遷移構造でつながっているかを判断することができます。位置エネルギー面の全体像が把握できれば、反応エネルギーと障壁を正確に予測することができます。また、 さまざまな化学特性を予測することもできます。

Gaussian 16は、 化合物や化学プロセスをモデリングするために、 以下のような幅広い手法を提供しています。

分子力学
Amber, UFF, Dreiding
半経験的手法
AM1, PM6, PM7, DFTB, その他
ハートリーフォック法
密度汎関数法
(DFT)
多数の公開されている汎関数をサポートしており、定義されている場合には長距離および経験的分散補正も利用可能
完全活性空間SCF法
(CASSCF)
RASのサポートおよび円錐交差の最適化を含む
Møller-Plesset摂動法
MP2, MP3, MP4(SDQ), MP4(SDTQ), MP5
結合クラスター法
CCD, CCSD, CCSD(T)
Brueckner doubles法
BD, BD(T)
Outer Valenceグリーン関数
(OVGF)
イオン化ポテンシャル、電子親和力
高精度エネルギーモデル
G1-G4、CBSシリーズ、W1シリーズ、およびそれらの派生モデル
励起状態法
TD-DFT、EOM-CCSD、SAC-CI

GaussViewの可視化機能を使って、様々なGaussianの計算結果を調べることができます。

  • 分子への注釈や、特性に応じた色付け:原子電荷、結合次数、NMR化学シフトなど
  • NMR、振動スペクトルなどのプロット
  • 等値面や等高線:分子軌道、電子密度、スピン密度など。静電ポテンシャルのような特性は、カラー化された密度面として可視化できます。
  • アニメーション:ノーマルモード、IRC経路、構造最適化の様子など

Gaussian 16の分子特性

  • 反強磁性結合
  • 原子電荷
  • 溶解度のΔG
  • 双極子モーメント
  • 電子親和力
  • 電子密度
  • 電子円二色性(ECD)
  • 静電ポテンシャル
  • 静電ポテンシャルに由来する電荷
  • 電子遷移バンド形状
  • 高精度エネルギー
  • 超微細結合定数(異方性)
  • 超微細スペクトルテンソル(gテンソルを含む)
  • イオン化ポテンシャル
  • IRおよびラマンスペクトル
  • プレ共鳴ラマンスペクトル
  • 共鳴ラマンスペクトル
  • 分子軌道
  • 多重極モーメント
  • NMRの遮蔽と化学シフト
  • NMRのスピン-スピン結合定数
  • 旋光分散(ORD)
  • 分極性/過分極性
  • ラマン光学活性(ROA)
  • 熱化学分析
  • 紫外可視光吸収スペクトル
  • 振動ー回転カップリング
  • 振動円二色性 (VCD)
  • 振動(吸収・発光)スペクトル
Uranium MOS